NISAの始め方を完全解説|共働き・子育て世帯でも始めやすい資産形成

iDeCoの仕組みや始め方、メリット・デメリット、NISAとの違いを初心者向けに解説 NISA

「NISAを始めたほうがよいと聞くけれど、仕組みがよく分からない」

「教育費や老後資金は心配。でも、投資で損をするのも怖い」

このように感じている共働き・子育て世帯は少なくありません。

NISAは、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。ただし、NISAそのものが利益を保証してくれるわけではなく、購入した商品の価格が下がることもあります。

初心者が始めるなら、まず家計に余裕があるかを確認し、少額の積立から始めるのが現実的です。

この記事では、NISAの仕組みや始め方、商品と証券会社の選び方、子育て世帯が注意したいポイントまで、初心者向けにまとめて解説します。

この記事の結論

  • NISAは投資の利益が非課税になる制度
  • 初心者は、つみたて投資枠から始めやすい
  • 生活費や近いうちに使う教育費は投資に回さない
  • 商品は人気ランキングだけで決めず、投資先や手数料を確認する
  • 共働き世帯は自動積立を設定すると管理の手間を減らしやすい
  1. NISAとは?投資の利益が非課税になる制度
    1. 2024年からのNISAは非課税期間が無期限
    2. NISAを利用できる人
    3. NISAは多くの人に利用されている
  2. NISAの仕組みを初心者向けに解説
    1. 生涯の非課税保有限度額は1,800万円
    2. 年間投資枠を使い切る必要はない
    3. 売却した枠は翌年以降に再利用できる
  3. つみたて投資枠と成長投資枠はどう使い分ける?
    1. 初心者はつみたて投資枠から始めやすい
    2. 成長投資枠は個別株や一括投資にも使える
    3. 2つの枠で同じ投資信託を買うこともできる
  4. NISAを利用するメリット
    1. 投資で得た利益が非課税になる
    2. 少額から始められる
    3. 積立設定をすれば手間を減らせる
    4. 必要なときに売却できる
  5. NISAのデメリットと始める前の注意点
    1. 元本保証ではない
    2. 損益通算や繰越控除ができない
    3. 投資額を増やしすぎると家計が苦しくなる
    4. 人気ランキングだけで商品を選ばない
    5. SNS上の投資詐欺に注意する
  6. NISAの始め方を4ステップで解説
    1. ステップ1:家計と投資目的を確認する
    2. ステップ2:証券会社や銀行を選ぶ
    3. ステップ3:NISA口座を申し込む
    4. ステップ4:商品と積立額を決める
  7. NISA初心者は何を買えばいい?
    1. 全世界株式型
    2. 米国株式型
    3. バランス型
    4. オルカンとS&P500の両方を買う必要はある?
  8. 共働き・子育て世帯のNISA積立額はいくらがよい?
    1. まず生活防衛資金を確保する
    2. 数年以内に使う教育費は預貯金を優先する
    3. 少額から始めて増額する
    4. 夫婦それぞれのNISA口座を利用できる
  9. NISAで失敗しやすい行動
    1. 生活費まで投資する
    2. 値下がりしてすぐに売却する
    3. SNSやランキングをそのまま信じる
    4. 複雑な商品を増やしすぎる
  10. 2027年から予定される「こどもNISA」とは?
  11. NISAに関するよくある質問
    1. NISAはやらないほうがいい人もいますか?
    2. NISAは月1万円でも意味がありますか?
    3. NISAで損をすることはありますか?
    4. NISAは銀行と証券会社のどちらがよいですか?
    5. つみたて投資枠だけでもよいですか?
    6. オルカンとS&P500はどちらがよいですか?
    7. NISAとiDeCoはどちらを先に始めるべきですか?
    8. NISAの積立額は途中で変更できますか?
    9. NISAで売却した枠はいつ戻りますか?
  12. まとめ|NISAは家計を整えて少額から始めよう
  13. 参考資料

NISAとは?投資の利益が非課税になる制度

NISAとは、株式や投資信託などへの投資で得た利益が非課税になる制度です。

通常、投資による売却益や配当金・分配金には、原則として約20%の税金がかかります。NISA口座で対象商品を購入すると、一定の範囲内でこの税金がかかりません。

例えば、投資信託を購入し、10万円の利益が出たとします。

通常の課税口座では利益から税金が引かれますが、NISA口座で得た利益なら、非課税の条件を満たす範囲で10万円をそのまま受け取れます。

ただし、NISAは投資商品ではなく、税金が優遇される口座の仕組みです。

NISA口座を開設しただけではお金は増えません。口座内で投資信託や株式を購入し、その商品が値上がりした場合などに利益が発生します。

2024年からのNISAは非課税期間が無期限

2024年からのNISAでは、非課税保有期間が無期限になりました。

以前の制度には非課税で保有できる期間が決められていましたが、現在は期間を気にして急いで売却する必要がありません。

NISA制度自体も恒久化されており、長期的な資産形成に利用しやすくなっています。

NISAを利用できる人

NISAを利用できるのは、その年の1月1日時点で18歳以上の、日本国内に住んでいる人です。

NISA口座は、1人につき1口座だけ開設できます。

証券会社や銀行など、複数の金融機関で同時にNISA口座を持つことはできません。ただし、所定の手続きをすれば、年単位で金融機関を変更できます。

NISAは多くの人に利用されている

金融庁が2026年7月3日に公表した調査結果によると、2025年12月末時点のNISA口座数は約2,826万口座です。

2026年2月に速報値が公表され、その後、全金融機関を対象とした調査結果が2026年7月3日に正式に公表されました。

NISAは一部の投資経験者だけが利用する制度ではなく、幅広い世代に広がっています。

利用者が多いから必ず利益が出るわけではありませんが、資産形成を考える際の代表的な選択肢の一つになっています。

NISAの仕組みを初心者向けに解説

現在のNISAには、次の2つの投資枠があります。

  • つみたて投資枠
  • 成長投資枠

2つの枠はどちらか一方を選ぶ仕組みではなく、同じ年に併用できます。

年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。両方を利用すると、年間最大360万円まで購入できます。

項目つみたて投資枠成長投資枠
年間投資枠120万円240万円
主な対象商品一定の基準を満たす投資信託・ETF投資信託・国内外の株式・ETFなど
購入方法積立が基本積立・一括購入
初心者の使いやすさ比較的使いやすい商品選びの幅が広い
2つの枠の併用可能可能

生涯の非課税保有限度額は1,800万円

NISAでは、生涯にわたって保有できる非課税投資枠の上限が1,800万円に設定されています。

このうち、成長投資枠で利用できるのは最大1,200万円です。

つみたて投資枠だけで1,800万円を利用することはできますが、成長投資枠だけで1,800万円を埋めることはできません。

なお、1,800万円は商品の現在価格ではなく、購入したときの金額である簿価を基準に管理されます。

年間投資枠を使い切る必要はない

年間最大360万円という数字を見ると、「できるだけ上限まで投資したほうがよいのでは」と考えるかもしれません。

しかし、NISAの上限額は、必ず投資しなければならない金額ではありません。

月1万円なら年間12万円、月3万円なら年間36万円です。家計に無理のない金額で始めても、NISAの非課税メリットは利用できます。

その年に使わなかった年間投資枠は、翌年に繰り越せません。

だからといって、年末に慌てて投資する必要はありません。枠を使い切ることより、生活を圧迫せずに続けられることのほうが重要です。

売却した枠は翌年以降に再利用できる

NISA口座で保有している商品を売却すると、売却した商品の簿価分だけ、非課税保有限度額を翌年以降に再利用できます。

例えば、100万円で購入した商品を120万円で売却した場合、翌年以降に再利用できるのは120万円ではなく、購入額である100万円分です。

反対に、100万円で購入した商品を80万円で売却した場合も、再利用できるのは100万円分です。

注意したいのは、売却した年のうちに枠が戻るわけではないことです。

また、枠が復活しても、年間360万円の投資上限を超えて購入することはできません。

つみたて投資枠と成長投資枠はどう使い分ける?

投資初心者は、まずつみたて投資枠から始める方法が分かりやすいでしょう。

つみたて投資枠の対象商品は、長期・積立・分散投資に適したものとして、一定の基準を満たした投資信託やETFに限定されています。

一方、成長投資枠では、個別株や幅広い投資信託なども購入できます。自由度が高い分、商品を見極める知識も必要です。

初心者はつみたて投資枠から始めやすい

つみたて投資枠には、次のような特徴があります。

  • 毎月一定額を自動的に購入できる
  • 少額から始められる金融機関が多い
  • 購入時期を細かく判断する必要がない
  • 対象商品が一定の基準を満たしたものに限定されている

仕事や育児で忙しい家庭では、毎月自分で相場を確認して注文するのは負担になります。

一度積立設定を済ませれば、その後は自動的に購入されるため、共働き世帯でも続けやすい方法です。

成長投資枠は個別株や一括投資にも使える

成長投資枠では、投資信託だけでなく、対象となる国内株式や外国株式、ETFなども購入できます。

年間投資枠も240万円と大きく、まとまった資金を一括で投資することも可能です。

ただし、自由に選べるからこそ、価格変動の大きい商品や特定の国・業種に偏った商品を選ぶ可能性もあります。

初心者が無理に成長投資枠を使う必要はありません。まずはつみたて投資枠だけを利用し、慣れてから成長投資枠を検討しても問題ありません。

2つの枠で同じ投資信託を買うこともできる

対象となっている商品なら、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で同じ投資信託を購入できます。

つみたて投資枠を使い切ったあと、同じ商品を成長投資枠で追加購入することも可能です。

「成長投資枠では、つみたて投資枠とは違う商品を買わなければならない」という決まりはありません。

NISAを利用するメリット

NISAの大きなメリットは、投資で利益が出た場合に税金がかからないことです。

さらに、自動積立を利用すれば、投資に多くの時間をかけずに資産形成を続けられます。

投資で得た利益が非課税になる

通常の課税口座では、投資の利益や配当金などに原則約20%の税金がかかります。

例えば、100万円を投資して150万円になり、50万円の利益が出た場合、課税口座では利益から約10万円の税金が差し引かれます。

NISA口座なら、制度の対象となる利益に税金がかかりません。

運用期間が長くなり、利益が大きくなるほど、非課税の効果も大きくなる可能性があります。

少額から始められる

NISAには、「毎月いくら以上」という国の決まりはありません。

最低購入金額は金融機関や商品によって異なりますが、主要なネット証券では100円程度から投資信託を購入できる場合があります。

最初から上限額まで投資する必要はありません。

月1,000円や月5,000円から投資を経験し、値動きに慣れてから積立額を増やす方法もあります。

積立設定をすれば手間を減らせる

共働き・子育て世帯にとって、NISAの使いやすさにつながるのが自動積立です。

あらかじめ次の項目を設定しておけば、原則として毎月自動的に購入されます。

  • 購入する投資信託
  • 毎月の積立額
  • 購入日
  • 支払い方法

一度設定すれば、毎月注文する必要はありません。

ただし、完全に放置するのではなく、積立額が家計を圧迫していないか、年に1回程度は確認しましょう。

必要なときに売却できる

NISAで保有している商品は、原則として自分の判断で売却できます。

原則60歳まで引き出せないiDeCoと比べると、資金を利用する時期の自由度が高い制度です。

ただし、必要になったときに相場が下落している可能性があります。

数年以内に使うことが決まっている教育費などを、すべてNISAで運用するのは慎重に考える必要があります。

NISAのデメリットと始める前の注意点

NISAには税制上のメリットがありますが、投資である以上、損をする可能性があります。

「NISAなら安全」「国の制度だから元本保証」と考えるのは誤りです。

元本保証ではない

NISAは、投資で得た利益を非課税にする制度です。

購入した商品の価格が下がれば、NISA口座でも元本割れします。

特に株式を中心に投資する商品は、短期間で価格が大きく下落することがあります。

預貯金とは性質が異なるため、生活費や近いうちに必要になるお金を投資に回さないことが重要です。

損益通算や繰越控除ができない

課税口座で投資による損失が出た場合、一定の条件を満たせば、ほかの投資で得た利益と相殺できることがあります。これを損益通算といいます。

しかし、NISA口座で生じた損失は、税務上はないものとして扱われます。

そのため、特定口座や一般口座で得た利益との損益通算はできません。損失を翌年以降に繰り越す繰越控除も利用できません。

投資額を増やしすぎると家計が苦しくなる

NISAには年間最大360万円の投資枠がありますが、上限まで使うことが正解ではありません。

特に子育て世帯では、次のような支出が重なる可能性があります。

  • 入園・入学費用
  • 習い事や塾の費用
  • 住宅の修繕費
  • 車や家電の買い替え
  • 家族の医療費
  • 育児休業や時短勤務による収入減少

投資した商品は売却できますが、必要な時期に値下がりしていることもあります。

まずは生活防衛資金と近い将来に使うお金を預貯金で確保し、残った余裕資金から投資額を決めましょう。

人気ランキングだけで商品を選ばない

証券会社の人気ランキングは、商品を知るきっかけにはなります。

ただし、人気がある商品が、自分の目的やリスク許容度に合うとは限りません。

商品を選ぶ際は、少なくとも次の点を確認しましょう。

  • どの国や地域に投資するか
  • 株式・債券など何に投資するか
  • 1つの商品でどの程度分散できるか
  • 信託報酬などの運用コスト
  • 為替変動の影響を受けるか
  • 値下がりしたときも保有を続けられるか

わが家では、年始にNISAの年間投資枠をまとめて利用し、人気ランキング上位の商品を参考に選んできました。

オルカン、S&P500、NASDAQ100、FANG関連、ゴールドなどを購入した経験がありますが、結果として、シンプルにオルカンを購入した枠のリターンが相対的に高くなった時期もありました。

これは過去の一時点における個人的な結果であり、将来の運用成果を示すものではありません。翌年以降も同じ結果になるとは限らず、ランキング上位の商品を複数買えば利益が増えるとも限りません。

実際に運用したことで、商品を増やすことが必ずしも成果につながるわけではないと感じています。

SNS上の投資詐欺に注意する

NISAへの関心の高まりに便乗し、SNSで投資を勧誘する詐欺も発生しています。

警察庁によると、2025年のSNS型投資詐欺は認知件数9,523件、被害額1,288億円に達しました。著名人の画像を無断使用した広告や、「必ずもうかる」「元本保証」などの表現を含む広告も確認されています。

次のような勧誘には注意してください。

  • 「必ず利益が出る」と言われる
  • 著名人や投資家を名乗っている
  • SNSからLINEグループへ誘導される
  • 個人名義の口座へ振り込みを求められる
  • 聞いたことのない投資アプリを指定される
  • 今すぐ入金するよう急かされる

NISAを始めるときは、金融機関の公式サイトや公式アプリから手続きしましょう。

NISAの始め方を4ステップで解説

NISAを始める流れは、大きく4つです。

  1. 家計と投資目的を確認する
  2. NISA口座を開設する金融機関を選ぶ
  3. NISA口座を申し込む
  4. 商品と積立額を決める

ステップ1:家計と投資目的を確認する

最初に、「なぜNISAを始めるのか」を整理します。

目的の例は次のとおりです。

  • 老後資金を準備したい
  • 将来の教育費の一部を準備したい
  • 預貯金以外にも資産を持ちたい
  • 10年以上使わないお金を運用したい

目的と利用時期によって、投資できる期間や許容できる値下がり幅が変わります。

例えば、1年後の入学費用を準備するために株式中心の投資信託を購入すると、必要な時期に値下がりしているかもしれません。

投資に回すのは、当面使う予定がない余裕資金が基本です。

ステップ2:証券会社や銀行を選ぶ

NISA口座は、証券会社や銀行などで開設できます。

投資信託を中心に始める場合は、次の項目を比較しましょう。

比較項目確認するポイント
取扱商品買いたい投資信託があるか
最低積立額少額から始められるか
クレカ積立利用中のカードに対応しているか
ポイント貯まるポイント・使えるポイント
アプリ積立設定や残高確認がしやすいか
サポート電話・チャット・店舗相談の有無
セキュリティ多要素認証などに対応しているか

ネット証券は、取扱商品が多く、低コストの商品を選びやすい傾向があります。

一方、対面で相談したい人には、銀行や店舗型証券会社のほうが利用しやすい場合もあります。ただし、取扱商品や手数料には違いがあるため、勧められた商品をその場で契約せず、内容を確認しましょう。

主要な候補としては、次のような証券会社があります。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券
  • 松井証券
  • 三菱UFJ eスマート証券

クレカ積立のポイント還元率や適用条件は頻繁に変更されます。

「還元率が一番高い」という理由だけで決めるのではなく、普段使っているカードやポイント、商品の品ぞろえ、画面の使いやすさも含めて比較しましょう。

NISA口座をどこで開設するか迷っている人は、各社の取扱商品・クレカ積立・ポイント・アプリを比較してから申し込むと選びやすくなります。

ステップ3:NISA口座を申し込む

金融機関を選んだら、公式サイトや公式アプリから口座開設を申し込みます。

一般的には、次のようなものが必要です。

  • マイナンバーカードなどの個人番号確認書類
  • 運転免許証などの本人確認書類
  • 本人名義の銀行口座
  • メールアドレス
  • スマートフォン

証券会社の総合口座を持っていない場合は、証券口座とNISA口座を同時に申し込むことがあります。

すでに別の金融機関にNISA口座がある場合は、重複して開設できません。金融機関を変更する手続きが必要です。

手続き方法や必要書類は金融機関によって異なるため、申し込み前に公式サイトを確認してください。

ステップ4:商品と積立額を決める

口座を開設したら、購入する商品と積立額を決めます。

初心者が商品を選ぶときは、次の順番で考えると整理しやすくなります。

  1. 投資できる期間を決める
  2. どの程度の値下がりに耐えられるか考える
  3. 投資する地域や資産を決める
  4. 信託報酬を比較する
  5. 無理のない積立額を設定する

最初から完璧な商品を選ぼうとすると、なかなか始められません。

まずは少額で始め、商品の値動きや証券会社の操作に慣れてから、積立額を見直してもよいでしょう。

NISA初心者は何を買えばいい?

NISAで購入できる商品の中でも、初心者が比較しやすいのは、複数の企業に分散投資するインデックスファンドです。

代表的な選択肢として、全世界株式型や米国株式型、バランス型などがあります。

ただし、「この商品を買えば必ず大丈夫」というものはありません。

投資先や値動きの特徴を理解したうえで、自分が続けやすい商品を選びましょう。

全世界株式型

全世界株式型は、日本を含む世界各国の株式に分散投資するタイプです。

代表例として、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」があります。

1本で複数の国や地域に投資できるため、自分で国ごとの配分を決める手間を減らせます。

ただし、世界中に均等投資するわけではありません。世界の株式市場の構成に応じて、米国株式の割合が大きくなる商品もあります。

米国株式型

米国株式型は、主に米国企業へ投資するタイプです。

代表例として、米国の主要企業で構成されるS&P500指数への連動を目指す投資信託があります。

米国の成長に期待できる一方、投資先が米国に集中します。

全世界株式型と比べて地域分散が限定されるため、「今後も米国を中心に投資したいか」を考えて選ぶ必要があります。

バランス型

バランス型は、国内外の株式だけでなく、債券や不動産投資信託など、複数の資産に分散投資する商品です。

株式だけの商品より値動きが抑えられる場合がありますが、必ずしも元本割れを防げるわけではありません。

株式100%の値動きが不安な人にとっては、比較候補になります。

オルカンとS&P500の両方を買う必要はある?

オルカンとS&P500は、どちらも人気のある投資信託です。

ただし、オルカンの中にも米国株式が多く含まれているため、両方を購入すると米国への投資割合がさらに高くなります。

2本に分けること自体が悪いわけではありませんが、単純に投資先が2倍に分散されるわけではありません。

両方を買う場合は、商品の中身が重複していることを理解したうえで配分を決めましょう。

共働き・子育て世帯のNISA積立額はいくらがよい?

積立額に、すべての家庭に共通する正解はありません。

収入だけでなく、子どもの年齢、住宅ローン、預貯金、今後の教育方針などによって、無理なく投資できる金額は変わります。

まず生活防衛資金を確保する

NISAを始める前に、病気や失業、家電の故障などに備える資金を預貯金で確保しておきましょう。

必要額は家庭によって異なりますが、一般的には生活費の数か月分から1年分程度を目安として考える方法があります。

ただし、子どもが多い家庭、収入が変動しやすい家庭、近く大きな支出を予定している家庭では、より多めに現金を確保したほうがよい場合もあります。

数年以内に使う教育費は預貯金を優先する

教育費は、使う時期を比較的予測しやすいお金です。

入学金や授業料など、数年以内に必要になることが分かっている資金は、預貯金など価格変動の小さい方法で準備するほうが管理しやすいでしょう。

NISAは、10年以上先など、比較的長い期間を確保できる資金の一部に利用する方法が考えられます。

少額から始めて増額する

毎月の積立額を迷ったら、まずは家計への影響が小さい金額から始めます。

例えば、次のような始め方があります。

毎月の積立額年間投資額
5,000円6万円
1万円12万円
3万円36万円
5万円60万円
10万円120万円

つみたて投資枠を満額利用する場合は月平均10万円ですが、満額を目標にする必要はありません。

ボーナスや一時的な収入を前提にせず、通常の手取り収入の範囲で継続できる金額に設定しましょう。

夫婦それぞれのNISA口座を利用できる

NISA口座は個人単位の制度です。

夫婦がそれぞれ条件を満たしていれば、1人ずつNISA口座を開設できます。

ただし、夫婦で合計720万円まで年間投資できるからといって、上限まで投資する必要はありません。

家計全体の預貯金、住宅費、教育費、保険、老後資金などを確認し、夫婦で投資目的と金額を共有しておくことが大切です。

NISAで失敗しやすい行動

NISAを長く続けるためには、商品選びだけでなく、始めたあとの行動も重要です。

生活費まで投資する

投資額を増やしすぎると、急な出費に対応できなくなります。

相場が下落しているときに生活費が必要になれば、損失が出た状態で売却せざるを得ません。

NISAには余裕資金を使い、日常生活で必要なお金は預貯金として分けておきましょう。

値下がりしてすぐに売却する

株式市場は、短期間で上昇と下落を繰り返します。

価格が下がるたびに怖くなって売却すると、長期投資を続けにくくなります。

一方で、どのような商品でも無条件に持ち続ければよいわけではありません。

自分が理解できない商品を買っていないか、当初の投資目的と合っているかを確認しましょう。

SNSやランキングをそのまま信じる

SNSや動画には、特定の商品で大きく利益が出た事例が数多く掲載されています。

しかし、利益が出た期間だけを切り取っていたり、広告収入を目的に商品を紹介していたりする可能性もあります。

商品名だけで判断せず、金融庁や運用会社、証券会社などの公式情報を確認してください。

複雑な商品を増やしすぎる

複数の商品を持つと、分散できているように感じます。

しかし、商品ごとの投資先が重複していれば、実際には特定の国や業種への偏りが強くなる場合があります。

また、商品数が増えるほど、資産配分や損益を管理する手間も増えます。

忙しい家庭では、目的を満たせる範囲で商品数を絞ることも、続けやすくする方法の一つです。

2027年から予定される「こどもNISA」とは?

令和8年度税制改正大綱には、0歳から17歳までを対象とする、いわゆる「こどもNISA」の創設が盛り込まれています。

大綱に示された主な内容は次のとおりです。

  • 対象は0歳から17歳
  • つみたて投資枠を利用
  • 年間投資枠は60万円
  • 非課税保有限度額は600万円
  • 2027年からの開始を想定
  • 一定の条件を満たせば12歳以降に払い出し可能
  • 18歳以降は成人向けNISAへ移行

ただし、実際の開始時期や手続き、対象商品、払い出し条件などは、今後の法令や金融機関からの案内を確認する必要があります。

以前のジュニアNISAは2023年末で終了しました。

新しい制度が開始される場合でも、教育費をすべて投資で準備するのではなく、預貯金と投資を使い分けることが重要です。

NISAに関するよくある質問

NISAはやらないほうがいい人もいますか?

次のような人は、急いで始める必要はありません。

  • 毎月の生活費が不足している
  • リボ払いやカードローンなどの返済を抱えている
  • 近いうちに使うお金しか手元にない
  • 元本割れを受け入れられない
  • 投資商品の内容を確認する余裕がない

まず家計を整え、生活防衛資金を確保してから検討しましょう。

NISAは月1万円でも意味がありますか?

月1万円でもNISAは利用できます。

年間投資額は12万円となり、投資で利益が出れば、その利益に対して非課税制度を利用できます。

金額の大きさより、家計に無理なく続けられるかが重要です。

NISAで損をすることはありますか?

あります。

NISAは利益を非課税にする制度であり、元本を保証する制度ではありません。

購入した投資信託や株式の価格が下がれば、元本割れする可能性があります。

NISAは銀行と証券会社のどちらがよいですか?

取扱商品の多さや低コスト商品を重視するなら、ネット証券が候補になります。

対面で相談したい場合は、銀行や店舗型証券会社が利用しやすいこともあります。

ただし、金融機関によって取扱商品やサービスが異なるため、自分が購入したい商品があるかを確認してください。

つみたて投資枠だけでもよいですか?

つみたて投資枠だけでも問題ありません。

成長投資枠を必ず利用する必要はなく、つみたて投資枠だけで生涯の非課税保有限度額1,800万円を利用することもできます。

オルカンとS&P500はどちらがよいですか?

世界全体に幅広く投資したい場合は全世界株式型、米国企業を中心に投資したい場合はS&P500型が候補になります。

どちらが将来高い利益を出すかは分かりません。

過去の運用成績だけでなく、投資地域の違いを理解して選びましょう。

NISAとiDeCoはどちらを先に始めるべきですか?

資金を途中で使う可能性がある人は、売却や引き出しができるNISAのほうが利用しやすい場合があります。

一方、iDeCoには掛金の所得控除などがありますが、原則として60歳まで資金を引き出せません。

教育費や住宅費など今後の支出を考え、資金を拘束されても問題ないかで判断しましょう。

NISAの積立額は途中で変更できますか?

多くの金融機関では、積立額の変更や積立の停止ができます。

収入の減少や教育費の増加など、家計が変化したときは無理に継続せず、積立額を見直しましょう。

変更が反映される時期や締切日は金融機関によって異なります。

NISAで売却した枠はいつ戻りますか?

売却した商品の購入額に相当する非課税保有限度額が、翌年以降に再利用できるようになります。

売却した年のうちには戻りません。

また、年間投資枠の上限を超えて購入することはできません。

まとめ|NISAは家計を整えて少額から始めよう

NISAは、投資で得た利益が非課税になる、長期的な資産形成に利用しやすい制度です。

つみたて投資枠と成長投資枠を合わせると年間最大360万円、生涯の非課税保有限度額は1,800万円です。

ただし、上限まで投資する必要はありません。

共働き・子育て世帯がNISAを始めるときは、次の順番で考えるとよいでしょう。

  1. 生活防衛資金を確保する
  2. 数年以内に使う教育費を預貯金で分ける
  3. 当面使わない余裕資金を確認する
  4. NISA口座を開設する金融機関を比較する
  5. 分かりやすい商品を少額から積み立てる
  6. 家計の変化に合わせて積立額を見直す

NISAは、始めることや枠を使い切ること自体が目的ではありません。

家族の生活を守りながら、将来に向けた資産を無理なく準備するための選択肢として活用しましょう。

参考資料

※この記事は、2026年7月時点で公表されている情報をもとに作成しています。制度や金融機関のサービス内容は変更される場合があります。特に、いわゆる「こどもNISA」については税制改正大綱に盛り込まれた段階の情報を含むため、今後の法令や金融機関の正式発表をご確認ください。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

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