子ども3人の教育費が気になる理由
教育費は家計の中でも特に負担が大きく、長期にわたって続く支出です。子どもが3人いると進学時期が重なることがあり、受験料・入学金・制服代がいくつも重なった年は、家計への影響が一気に大きくなります。
この記事では、公立・私立の組み合わせごとに3人分の教育費総額をシミュレーションします。「わが家はどのくらいかかりそうか」の目安としてご活用ください。
教育費の基本を押さえよう
教育費と聞くと「授業料」をイメージしがちですが、実際にはさまざまな費用が積み重なります。
- 授業料・入学金・施設費
- 教材費・制服代
- 給食費・通学費
- 塾代・習い事代
- 模試・受験料
- 修学旅行費・部活動費
特に見落とされやすいのが塾代や習い事代です。学年が上がるほど増えやすく、総額に大きく影響します。また、入学の年は授業料以外に入学金・教材費・制服代などが一度にかさむため、初年度だけ特に大きな出費になります。
公立と私立の費用差は、小学校から大きくなります。公立小学校は授業料がかかりませんが、私立小学校では授業料や施設費などが発生し、6年間の累計では大きな差になります。中学・高校・大学でも進学先によって費用差が広がります。大学は、国公立か私立か・文系か理系か・自宅通学か下宿かによって、総費用が100万円以上変わることもあります。
また、幼児教育・保育の無償化や高校の就学支援金など、費用を軽減する制度は整ってきています。ただし「無償化=完全に無料」ではありません。幼稚園・保育所では給食費や行事費、通園費は自己負担です。高校では授業料以外の入学金・修学旅行費・部活動費などは引き続きかかります。制度の内容は毎年変わる可能性があるため、利用する際は公式サイトや自治体の窓口で最新情報を確認してください。
関連記事:子どもの教育費はいくらかかる?幼稚園から大学までの総額を公立・私立別に試算
進学パターン別の総額シミュレーション
以下のシミュレーションは、幼稚園から高等学校までを文部科学省「令和5年度 子供の学習費調査」(学校教育費・給食費・学校外活動費を含む学習費総額)、大学費用を文部科学省が公表している国立大学授業料標準額および私立大学の学生納付金調査などを参考にした概算です。地域・学校・通学形態などで実際の金額は異なります。制度改正や学費改定により変わる場合もあります。
シミュレーションの前提は以下のとおりです。
- 3人の子どもが幼稚園(3歳)から進学するケース
- 大学は4年制を想定
- 自宅通学を基本とする(下宿費・生活費は含まない)
- 就学支援金等の制度は考慮していない(受取条件が家庭により異なるため)
| 進学パターン | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 1人あたり目安 | 3人合計目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全員公立(大学なし) | 公立 | 公立 | 公立 | 公立 | なし | 約500〜600万円 | 約1,500〜1,800万円 |
| 全員公立(国公立大) | 公立 | 公立 | 公立 | 公立 | 国公立 | 約900〜1,100万円 | 約2,700〜3,300万円 |
| 1人だけ私立中学(他は公立・国公立大) | 公立 | 公立 | 1人私立 | 公立 | 国公立 | 私立中の子が約1,200〜1,400万円 | 約3,000〜3,600万円 |
| 1人だけ私立高校(他は公立・国公立大) | 公立 | 公立 | 公立 | 1人私立 | 国公立 | 私立高の子が約1,000〜1,200万円 | 約2,900〜3,400万円 |
| 1人だけ私立大学・文系(他は公立・国公立大) | 公立 | 公立 | 公立 | 公立 | 1人私立文系 | 私立大の子が約1,100〜1,300万円 | 約3,000〜3,600万円 |
| 1人だけ私立大学・理系(他は公立・国公立大) | 公立 | 公立 | 公立 | 公立 | 1人私立理系 | 私立理系の子が約1,300〜1,500万円 | 約3,200〜3,800万円 |
| 全員私立(幼稚園〜私立大・文系) | 私立 | 私立 | 私立 | 私立 | 私立文系 | 約2,000〜2,500万円以上 | 約6,000〜7,500万円以上 |
進学パターンによって3人合計の総額は約1,500万円〜7,500万円以上と大きな幅があります。全員国公立大進学と全員私立(幼稚園から大学まで)では2倍以上の差が生まれることもあります。また、私立大学の理系は実験実習費などが上乗せされやすいため、文系・理系の差にも注意が必要です。
進学時期が重なる場合の家計負担
子どもが3人いると、年齢差や進学先によっては、入学や受験の時期が重なる年が出てくることが多いです。たとえば「上の子が大学入学+真ん中が高校入学+下の子が中学入学」という年には、入学金・制服代・教材費が3人分同時にかかります。
特に負担が重くなりやすいのは以下の時期です。
- 上の子が大学入学する年:初年度納付金が一度に集中
- 受験と新入学が重なる年:受験料・模試費用も同時発生
- 3人が連続して高校・大学に進学する時期
| 年齢差の例 | 進学が重なりやすいタイミング | 主なリスク |
|---|---|---|
| 2〜3歳差(3人) | 中学〜大学が約6年間に集中 | 毎年入学が連続し、負担期間が長い |
| 4〜5歳差(3人) | 高校・大学入学が重なる年が発生 | 初年度費用が重なる年の一時的な負担増 |
| 6歳以上差(3人) | 進学時期のずれが大きい | 教育費期間が長く続く |
年齢差が小さいほど負担が集中しやすく、大きいほど負担期間が長くなります。早い段階で「いつ・いくら必要になるか」を大まかに書き出しておくと、準備しやすくなります。
3人の子どもの教育費を準備するコツ
教育費は「必ずかかる支出」であるため、毎月一定額を先に積み立てる方法が有効です。特に大学の初年度費用は入学直後に集中するため、子どもが小さいうちから少しずつ備えておくことが大切です。3人分を一度に貯めようとするのは難しいため、子どもごとに貯め先を分けておくと管理しやすくなります。
備え方の代表的な選択肢としては、学資保険・積立貯金・NISAなどがあります。どれが合うかは家庭の状況によって変わりますが、まず「いつ・いくら必要になるか」を把握してから備え方を検討するのが現実的です。
また、以下の公的制度も条件を満たす場合は積極的に活用を検討しましょう。制度の内容や所得要件は変更されることがあるため、最新情報は公式サイトや自治体窓口でご確認ください。
- 幼児教育・保育の無償化:3歳児クラスから5歳児クラスの保育料・授業料が原則無償。月額上限あり(幼稚園は2.7万円程度)。給食費・行事費・通園費などは自己負担になる場合があります
- 高等学校等就学支援金制度:高校等の授業料を支援する制度。対象条件や支給額は年度ごとに変更されることがあるため、最新情報は文部科学省または在学先・自治体の案内でご確認ください
- 高等教育の修学支援新制度:大学の授業料・入学金の減免や給付型奨学金を支給する制度。住民税非課税世帯等に加え、多子世帯への支援も設けられているため、子どもが3人いる家庭は対象になる可能性があります。最新の対象条件は文部科学省でご確認ください
- 日本学生支援機構の奨学金:給付型(返済不要)と貸与型がある。給付型は対象要件あり
- 自治体独自の補助:都道府県や市区町村独自の授業料軽減・給付制度がある場合があります
「高等教育の修学支援新制度」は、世帯収入・資産、扶養する子どもの人数、学業要件、進学先が対象校かどうかなどで判定されます。子どもが3人いる場合は多子世帯向けの支援対象になる可能性もあるため、大学進学前に最新の対象条件をご確認ください。
よくある質問
Q. 子ども3人の教育費はどれくらい貯めておくのが目安ですか?
進学先によって大きく変わります。全員公立で大学まで進む場合は3人合計で2,700〜3,300万円程度、私立が増えるほど総額は上がります。まずはお子さんごとに「いつ・いくら必要になるか」を確認し、逆算して月々の積立額を決めていくのが現実的な方法です。
Q. 教育費が足りない場合、使える奨学金はありますか?
日本学生支援機構の奨学金には、返済不要の「給付型」と返済が必要な「貸与型」があります。給付型は世帯収入や資産要件の条件があります。進学先の大学が公表している独自の給付奨学金も合わせて確認することをお勧めします。
Q. 高等教育の修学支援新制度は3人の子ども全員に適用されますか?
制度の対象になるかは、世帯収入・資産、扶養する子どもの人数、学業要件、進学先が対象校かどうかなどで判定されます。多子世帯向けの支援が設けられているため、子どもが3人いる家庭は対象になる可能性がありますが、全員に必ず適用されるわけではありません。最新の条件は文部科学省の公式サイトでご確認ください。
Q. 複数の子どもの進学時期が重なる場合、教育ローンは検討すべきですか?
一時的に資金が不足した場合の選択肢のひとつです。日本政策金融公庫の「教育一般貸付」などがあります。ただし利息が発生するため、できる限り事前に積み立てておくことが理想的です。利用を検討する場合は返済計画を十分に確認してください。
Q. 塾代や習い事代はどのくらい見込んでおくべきですか?
学年・地域・受験の有無によって大きく異なります。中学・高校受験を目指す場合は年間数十万円以上になることもあるため、進路方針が決まってから個別に試算するのが現実的です。
まとめ
子ども3人の教育費は、進学先の組み合わせによって総額が大きく変わります。全員公立(高卒)で約1,500〜1,800万円、全員国公立大まで進むなら約2,700〜3,300万円、私立が増えるほど総額は上がり、全員私立(幼稚園〜大学)なら6,000万円以上になることもあります。
複数の子どもの進学時期が重なる時期の年間負担も事前に把握しておくことが大切です。年度ごとの出費の山を早めにイメージしておくと、準備のペースを決めやすくなります。
幼児教育・保育の無償化、就学支援金、修学支援新制度などの公的支援は、条件を満たせば家計の助けになります。制度の内容は変わることがあるため、最新情報は文部科学省や自治体の公式サイトでご確認ください。



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